ゲーム音楽ヒット情報 第3回
        セガアーケード80'S Vol.2も登場!
    
セガ・アーケード 80'S Vol.2
サイトロンディスク
SCDC−00252
 2800円
体感ゲーム全盛期のあおりを食ってアルファ・サイトロン時代から漏れた作品の中から、自社開発・
他社開発を問わず、80年代テーブルゲームそれも、PSG作品を中心に収録。             
  
 前回のVol.1に続いて、Vol.2の登場と相成ったわけですが、今回の場合は多少前回とニュアンスが異なる。
 と言いますのも、今回はセガ謹製と言うよりは他社開発の作品を中心にラインナップを並べているのでございます。
 個人的に目玉としていたのは「ワンダーボーイ」シリーズのアルバム化!これです。表舞台ではいざ知らず、水面下で
はこのシリーズの評価。特に2作目のモンスターランドの評価が非常に高かったんですよ。私の本でも確か取り上げて
いたと思いますし、ソレに対するリアクションもありました。
 実は本にする以前から作曲者が、自分のHPでダウンロードできるように取り計らっていたりもしたんですが・・・

 ま、ま、とりあえずアルバムの概要と聴き所をササッと行ってみましょう。
 
 収録作品
 バンクパニック
 ごんべえのあいむそーりー
 青春スキャンダル
 ピットフォールU
 タイムスキャナー
 オパオパ
 ワンダーボーイ
 ワンダーボーイメモンスターランド
 ワンダーボーイ・モンスターレア
 スクランブルスピリッツ
 
 という作品群で、やっぱしPSG時代の作品がメインですね。これらを聴いていますと、体感ゲーム全盛期はゲーム音
楽とはちょっと一線を引いた曲をバンバンリリースし続けて、ゲーム音楽としてのあり方に疑問を投じたセガとは言って
も、ちゃんと古き良きゲーム音楽、本質的にゲームに即したゲーム音楽をちゃんと作っていた事が理解できますよ。
 
 セガのPSGの主たる印象は、前々回に取り上げたんですが、今回の作品は別の味を出しています。
 音的に見ると、少しベーシックなPSGに近いかなぁ。しかし、どっちがセガの持ち味なんだという、まるでビリー・バンバ
ンのどっちがビリーでどっちがバンバンか?的な疑問も浮かんで来たりして。やっぱり音楽ごと他社開発なんかな?だ
から持ち味が違うのかな?

 バンクパニック
 どっかで聞いた事があるような曲をPSGアレンジしてゲームに投入している、ゲーム音楽創世記の怪しさがモロに出
ている。同じフレーズをファンキーにしたりアナーキーにしたりして変化をつけているのが聴き所。ゲーム音楽がもっとも
怪しかった時代のスひとつのタイルである。

 こんべえのあいむそーりー
 コナミの「ミスター五右衛門」ぽくも聴こえるなぁ。曲としてはコミカル・またたびな感じの喜劇的ゲーム音楽。この時代
の作品にしてはそれなりに起承転結も付いているし、テンポも悪くない。
 アレ、BGM2って青春スキャンダルっぽく山本正之している妙な曲やなぁ・・・。楽しいけど。
 ベーシックなPSG音に微妙にビブラートが掛かった、ちょっと弱気な音色も個性があって〇。

 青春スキャンダル
 常々思っていたんですけど、BGM1って何処からどう聴いても舟木一夫じゃないかこりゃ。こんなオールディーズ
なフレーズをゲーム音楽に取り込むなんて凄いですよね。大体タイトルが何処からどう見てもチェッカーズ引用なソレな
のにね。このアンバランス感が・・・。
 BGM2ともなると、いよいよ形容しがたくなる。前述のニュアンスにロックっぽいフレーズが入ったり、「あいむそーり
ー」っぽい展開を見せたり。曲としてはテンポ良くポンポンポーンって感じなんですが・・・。
 BGM3.これは結構分かりやすい。物語の佳境を感じさせる、前半部分にやや深刻なフレーズを散りばめていて、ス
トーリー性を出しているからである。後半では割とメジャーな展開に変化して(何処のロックパクッたんだと疑問が浮か
ぶ妙なフレーズだが)、これまたこちら視点の佳境を演出している。
 全体的に良いテンポで、サラッとも聴けてくどすぎないからいいんじゃないかなぁ。あ、弱気なビブラート音色は相変わ
らず。
 ところで、この作品はコアランド開発なんですけど、よくよく考えたら、青春スキャンダルにはサイバータンクっぽいフレ
ーズもあったり無かったり・・・。両者をよく聴いてみるとなんとなくそう感じます。(関係ないんですけど「ギャラクシーフォ
ース」のゲーム本体もコアランドが製作していたりする)
 
 ピットフォールU
 マーチ調に勇ましい森の曲、そして氷の面はなんといきなり森の曲のマイナーアレンジ!なんかこう、ゲームがゲーム
なら、(確かに画面はシンプルですが・・・)サウンド演出も必死に付いて行くという、映画を意識したこの作品の完成度
に寄与している部分にジーンと来るなぁ。また、シーン3と4も同じ曲同士のアレンジで、こちらはマーチ系一本なんです
が、何故か後の面のほうがシンプルになっているという…。オイオイさっきのジーンを返してくれよう。

 タイムスキャナー
 同社の「エイリアンシンドローム」に音色が近い。特にドラム系。セガのテーブル作品の何種類かあるドラム音の中
で、一番気持ち良いのは「ファンタジーゾーン」のエレキドラム。そしてその次がこの作品などで使用されているパカパカ
って鳴る、気難しそうなドラム音。あ、これは私的判断なんですけどね。
 メロディも結構お洒落と言うか上品にシンセっぽく作ってありますなぁ。
 曲自体はやはり元がピンボールって事で、テンポ良くノリを出しーの、シンプルに雰囲気出しーのって感じです。


 オパオパ
 まんま、セガマークV版「ファンタジーゾーン」だけど、Vol.1に収録された「ファンタジーゾーンU」より断然いい!
 耳障りが良く、聴きやすいのですよ。のんびりムードの「DREEMIG TOMORROW」も悪くはないなぁ。

 ワンダーボーイ
  しかしまぁ、この作品ときたら、シンプルはシンプルなんですけど、そんな中で最大限の表現をしようとしていますよ。
 PSG時代の作り手の苦労が忍ばれます。多分容量も少ないんだろうなぁ。
 メインの曲の「楽しいアドベンチャー」って感じの曲、各ステージ最後のエリアの曲は、不気味で不安定なメロディで不
安にからせて来るし。ボスの曲なんぞは音の厚みはイマイチとしても「嫌だなぁ」感が十分に伝わってきますからねぇ。
 それらの隠し味になっているのは、PSGの音色のふやけ方と言いますか、ストレートにぶつけて来る音色というより
は、カーブで魅せているぅてな感じのクセのある音。これですよ。この隠し味が光りますね。他では聴けないPSG音色で
すよ。

 モンスターランド
 個人的に目玉にしていました。こりまたPSG作品。1987年の作品でPSGというのは後発的存在ですけど、曲に関し
ては同年代のほかの作品ともタメを張れるいい曲ですよ。
 キャラクターにあわせて明るめでありながら楽しさ半分険しさ半分のノリで、ゲーム進行をしっかり抑えてカッチリ作っ
てある各ステージの曲。
 特に1ステージ、2・7ステージ、4・10ステージ、5・8ステージの曲はお勧めしちゃうなぁ。たけども、やっぱりこれは聞
き逃せない最終面の曲。コレコレこれなんですよ!
 敵を追い詰めた優越感と、迷宮をさまよえる焦燥感が曲の中で渦巻きつつ緊張感をガンガン高めちゃったりするの
だ!出来すぎ・やり過ぎの域に近いすばらしい曲なんで、これは体験していただきたいであります!
 その先にあるエンディングの曲もまたこれが口を挟みたくなるいい曲でして、ホッと感とお疲れ様感がこう・・・、ねぇ。
 そうだ、音的なものなんですけど、前作の音から割と襟を正した上で、コナミ入ってんじゃないの?という滑らかなもの
に仕上がっています。

 モンスターレア
 でもって、YM2151FM音源になったワンダーボーイですけど、ドラム系が「サイキック5」していたりと作曲者の特性
を披露していたりいなかったり。南の島感が明るく出ているステージ1の曲、夕暮れのジャングルを渋い音色でくすぐる
ステージ2、実はこの曲が一番完成度が高いと思いきや、アルバムでは何と最初の1フレーズしか収録されていないの
だ!ホントはこの曲もっとも〜っと長いのですよ!うぅぅ。
 気を取り直してその他の曲。ステージ4・5・10の曲はやや爽的な雰囲気が入りつつ、ドラマ性が盛り込まれている
し、ステージ7・8は苦しい雰囲気をテンポを崩さずに出している。
 また、テンション高めなのがステージ9・13とステージ14の曲。前者は明るくもカッコイイという雰囲気で、後者は完全
に終盤盛り上げ型の曲。これらも切れ味鋭いいい曲ですよ。
 音的にはあまり目立たないんですけど、PSG時代のワンダーボーイ音色をFM型にしてちゃっかりひっそり盛り込ん
であるので気を付けてして聴いてみましょう。すぐにワカールので・・・。
 このアルバムで満足行かない場合、PCエンジンCD−ROMがありまっせ!アチラのオーディオトラックを聴いたなら
ば「モンステーレア」の完成系に近いモノを聴けるでしょう。

 ところで、ライナーノートに「モンスターランド」「モンスターレア」の作曲者である、坂本慎一氏のインタビューが載って
いるんですけど、こりゃ驚いた!「アーガス」「サイキック5」「バルトリック」もこの人だったのだ!
 確かに「サイキック5」で「バルトリック」の未使用曲なんかがかかっていたりするから、同じ人だとは思っていましたが
「モンスターランド」まで手がけていたとはねぇ。
 そう言えば、私のカーステレオMD用の同じディスクに、雰囲気が近いという理由で「モンスターランド」「サイキック5」
を入れていたのですよ。イヤ、両方ともPSG主導(サイキック5はFM・PSG併用だけど)でバランス的にも良いかな?
って考えていただけなんですが、私の耳もまんざらじゃなかったかな。

 スクランブルスピリッツ
 曲線キャラが映える、高解像度シューティングゲームのサウンド。「パワードリフト」のアルバムにも入っていたんです
が、今回復活。(「ホッドロッド入れればよかったのに」と思ったりして)どちらかというと薄味なサウンド。
 適当に緊張感があったり、爽快感があったり、雰囲気が出ていたりと、強烈な個性には欠けるが聴き難くもないという
感じか。決して「ガンガン行こうっ」ていう曲じゃない。実はそんなに嫌いではないが…。

 78分18秒という長時間アルバムでたくさんのタイトルが相変わらず収録されているこのアルバム。まさにマニアがぐ
っと来る盛りだくさんのラインナップであります。「モンスターレア」の編集には不満がありますが・・・。

 私なんぞは、「セガゲームミュージックVol.1」が1986年末に発売される際に、「スペースハリアー」はともかく、「ピッ
トフォール」や「ロボレス」すっ飛ばして「いきなりアウトランかよう」と言っていたモンですけど、それら、メジャー作品や体
感ゲームの狭間で忘れられかけたマイナー作品をようやくリリースしてくれた今回の企画は素直に嬉しいのでありま
す。が、欲はまだまだ出してみたい。また妄想も出してみたい。
 このアルバムの企画、実はVol.3が隠されていそうな気がするんですよ。
 ホットロッド  パッシングショット  エースアタッカー  メジャーリーグ  スーパーリーグ  
 ジャンボ尾崎スーパーマスターズ  エンデューロレーサーYM2203バージョン  
                                                 これらを忘れちゃいませんかぁ?

 さて、次回は「サラマンダagein」から更に11年経って再び復活した「沙羅曼蛇アーケードサウンドトラックス」の話題
をお送りしたいと思います。本人のご迷惑にならない程度に作曲者話も少し交えつつ…。
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