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セガアーケード80'S 発売だ!
さて、「抱腹Z ♭to#」以降、久々のゲーム音楽記事の様な気がするなぁ。大体番組本編の
方でゲーム音楽についてはしゃべっていたはずなんですが、よくよく聞き返していたら、特に最近の放送ではあまり突っ
込んだ事をやっていないのね。
てな事で、突っ込んだ事をやってみましょう。というのがこのコーナーです。
先に触れた「抱腹Z ♭to#」って言いますのは、私が書いたゲーム音楽専門同人誌第二弾の事でして、204ページ
に渡ってアルバムだとかゲーム音楽単体の話だとか、それから作曲者のお話だとかをギュギュッと盛り込んだ一冊で す。ゲーム音楽の同人誌も種類が少ないせいか、これが売れに売れました。実はこの前に「抱腹Z '99」というゲーム 音楽本も出していまして、もっぱらこちらのリピーターさんと連れてきてくださったお客が大挙して買ってくださったのでは ないかと分析しております。
ま、それはともかく、今回紹介する「セガ・アーケード 80'S Vol.1」 というアルバム。これが微妙に嬉しいアルバ
ムであり、そして大胆な企画でもあります。
内容的には、セガの1980年代のアーケードゲームの中からアルバム化されていないものをピックアップしてアルバ
ム化したというものなんですけど、今流行の復刻再販とは違って完全に新規のアルバムとして作られたところが新しい というか、意欲的である。
ただ、内容的に考えてどうだろう?PSO旋風吹きまくるセガとは言え、PS2・ゲームキューブ進出なったセガとは言
え、この波に乗れるアルバムなのかというと疑問符が付く。最近のセガファン・ゲームファンを取り込めるのかという事 なんですよ。
逆にオールドゲームファン・昔からのゲームファン・そして根っからのゲーム音楽ファン・セガファン(どうでも良いんで
すけど、セガファンの中に時々いる独善的な事を女々しく延々言ったり書いたりしているという間違ったファン振りを 堂々とアピールしてセガの足を引っ張っている逆ファンの人って凄く見苦しいと思うんですが・・・)にターゲットを絞ったも のだったらいい企画である。特に、今までセガのPSG(SSGという話もあるが)作品、全くアルバム化されていなかっ た。今までアルバムになっていた一番古いテーブル作品が「ファンタジーゾーン」で、この頃は既にFM音源仕様だった のだ。
主たる収録作品なんですが・・・
シンドバットミステリー(アナログ版・PSG版) ミスターバイキング(PSG)
フリッキー(PSG) 三輪サンちゃん(PSG) 忍者プリンセス(PSG)
ロボレス2001(PSG) アレックスキッド・ロストスターズ(YM2151) 忍(YM2151)
ファンタジーゾーンU(PSG) ソニックブーム(YM2151)
こういったラインナップです。
それにしても、セガのPSGって言いますと、音的には甲高く、荒いという印象を受けます。ピコピコとキンキンの中間。
フィンフィンって感じです。(わかるんかな)う〜ん、やんちゃな音色というと分かってもらえますかね。
そんなPSG作品の中でも、「三輪サンちゃん」「忍者プリンセス」「ロボレス」といった後期作品はかなり味があるもの
になっている。
特に「三輪サンちゃん」は各パートの役割を明確にしてあって、少ない音でも最大限の表情が曲に付いている。スリリ
ングで小気味良く、愛らしくゲーム音楽らしい秀作である。
また、この頃から音色を思いっきり歪ませて独特の効果を出していますな。「ブョ〜オ〜ン」なんて感じの音です。
「忍者プリンセス」は舞台性とスリル。これに尽きる。同じ忍者ものである「忍」と比較すると、使命感ですとか場面場
面の環境を認知させた上でプレイヤーの感情移入度を高める良い効果になっている。体感ゲームの多くで軽音楽を垂 れ流してきた、後の同社の作品とは完全に正反対に位置している。この作品でも、音を歪ませる効果を・・・というかビ ブラートかけて、曲の緊張感をア゛けるうえで良い効果になってます。
「ロボレス2001」はハタから見ると大した事をあまりやっていない感じがするんですけど、あぁパクリ曲も多いし・・・、
イヤイヤ、スタート曲なんか聞いて御覧なさいよ、PSG時代の戦闘意欲高揚効果としては、結構グッと来るフレーズで すよー!
ただ、「ファンタジーゾーンU」ってあまり好きになれないんですよ。FM音源版は好きなんですけど何故にアーケード
で発売する際にスペックを落とすんかいな。「システムE」にOPLを搭載していなかったというとそうなんですけど、それ だったらROMにFM音源載せたりすれば良いんじゃない?
なんてこういう事を書くかといいますと、PSGで再現(正確には元々はPSGが基本仕様だが・・・)しようとすると曲の輪
郭がはっきりしないものもありまして、「新手のテクノか」とビビッてしまうのですよ。というかわかんない曲になっちまうの です。
ほいじゃFM作品。実はこれらの作品、80年代のゲーム音楽アルバムの狭間になっちゃってタイミング悪くアルバム
に入らなかったものばっかし!しかも比較的認知度も低く、ゲーム自体をやってもらえなかったものもありますから、ア ンケートにもなかなか上らず、比較的収録時間に余裕のあるアルバムにも入らなかった幻の作品たち。(まぁ当時は収 録時間が長いと音質に影響が出るレコード盤もありましたから・・・)
私的には「忍」を待ってました!「アレックスキッド」「ソニックブーム」は基板収録で持っていましたから。
じゃ早速待っていた「忍」から・・・。
第一印象として感じるのが、雅な雰囲気を感じさせつつも都会的なイメージである事。そして両者とも決して派手に主
張しあっているというわけではなく、さりげない。悪い言い方をすると地味。こんな感じです。
ミッション1の曲なんかは両者がいい感じでバランスを保っているし、聴いた感じもすんなり耳に入るいい曲。
ミッション2の曲は、都会的なイメージが強く、下水道かなんかから潜入する感じの、そう、潜入というイメージが強い
曲です。
逆にミッション3の曲は、雅色が若干強め。かなり月夜が意識されている、ひっそり感が気持ちいい曲ですね。
都会的なコードに戻るミッション4。だが、音色なんかは和風。この辺のコラボレーションのセンスが何ともたまらな
い。なんだか、忍びのイメージなのに楽しさすら感じてしまう。
後にセガから発売された、「スーパー忍」で流れる「NINJA STEP」と若干イメージがオーバーラップするんですけ
ど、このミッション4を古代祐三氏が独自の視点で遊んだのではあるまいな。ミッション5は唯一熱い曲。敵の組織を意 識させる鋭い導入部と、後半部のひっそりとした音色が「忍」らしさ。このふたつが最終面らしくストーリー性をふりしぼっ ております。
この「忍」はBGM要素がちょっと強い。セガのテーブルゲームの曲においては、ままある傾向でございます。曲として
聴く分にはサラッと聴けていいと思いますよ。
「アレックスキッド」ですが、この曲を書いたのは「ファンタジーゾーン」の作曲者と同一人物です。アチラは楽しい曲を
ベースとしてストーリー性をエッセンスとして含んだ、ゲーム音楽きっての名曲だったわけですが、「アレックスキッド」に 関しては、ストーリー性というエッセンスはほぼ廃され、コミカル一直線です。ひとことで形容するなら「のんびりしたおも ちゃ箱的なゲーム音楽」「パステルカラーが目に浮かぶゲーム音楽」って感じでしょうか。そう、どの曲も楽しげにのんび りと曲が進行するのですよ!敵を攻撃する場面がほとんどないゲームだけに「緊張感はいらない」と踏んだのでしょう。
ところが、このゲームの難易度はそりゃもう大したもので、常に死と隣り合わせという緊張感丸出しのゲームだったん
ですけどね。
音色としては、アメリカの子供向けコミカル番組でよく使用されるような電子ピアノみたいな音とでも言いましょうか。メ
インメロにソレを持ってきつつ、セガ独特のベース音を絡めているもの。まとまりとしてはしっかりしていますね。
「ソニックブーム」は逆の意味でマイペース。シューティングゲームの曲なんですけど、大抵この手のゲームの曲だっ
たら、ポップにノリノリ的ニュアンスが強い作品が多いわけですが、この作品の場合は上空から地上を常に監視しなが らひたすら任務を遂行するような。冷静な描写が強いのかな。ストーリー性・高揚なんて要素はほとんどない。淡々と緊 張している。こんな曲です。ステージ2・6の曲に泥沼化する戦闘を描写するフレーズが若干あるくらいですかね。
同社の「サンダーブレード」に近いものと言ったら良いのか
音的にはどうか。ベースが強い!そして凝っている。これは何を意味するか。そう、知る人ぞ知る、ファンキーK.H氏
の作品である事なのです。「カルテット」「SDI」「スーパーハングオン」でその特異なセンスと作曲スタイルをつよくファン にアピールしたアノ人だ。
ランキングの曲なんかは、モロに「SDI」のエンディングのノリだから、ハッとする人も少なくなかろう。ただ、渋くもカッ
コイイメロディを同時に生み出していた氏の曲にしてはメロディが薄く押さえられているかな。
それにしても、氏は五線紙とマイクを用意して、歌いながら作曲していたはずだが、この曲を歌いながら作曲?何か
ヤバげな絵が浮かんでくるんですが・・・。
とまぁ、ザッと紹介してみました。CDと並んでもうひとつ見逃せないのはライナーノート。収録作品のゲームのカタログ
や攻略法。解説はもとより、それらの曲を収録するときのエピソードまで書かれている。そしてソレが泣けてくる。ゲーム 基板からカセットやMDに録音するときの苦労を知るマニアには本当に泣けてくる!CPU麻痺技、別の基板にROMを 乗せ替えて曲を鳴らす技などが駆使されている模様が書かれているからだ。
この企画はこれだけに止まらず、Vol.2が企画されている。今回の収録作品から80年代のセガ作品の秀作から漏
れているものはないか?期待したいところです。
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